ブランディング

真っ向から喧嘩すると対等になる

映画『ドロップ』がまさにそうだったように、転校先で一気に名前を売るには、その学校で一番強い番長に挑戦してガッツを見せる。そうすることである一定の評価を得て、その後は一目置かれるポジションをゲットできる。

ケンカによっぽど自信がない限り、間違っても下の奴らから一人づつ戦ってはいけない。また、その学校の生徒たちがハッキリ番長と認識していない、裏番長と戦ってもいけない。

ここで一番大切なのは、あくまでもその学校の「番長と真っ向からケンカした」という印象。これがあなたの価値を高めてくれるのだ。実力ではない。あくまで印象なのである。

この作戦はネット上でも結構使われていて、あえて人気のあるブロガーにケンカを吹っかけて、議論を巻き起こすことで「著名人と真っ向からケンカした」ということで注目を集め、ある程度のポジションを獲得するという戦略を意図的に行っている人がいる。

ただしネットの場合は印象よりも、内容をシビアに問われる場合が多いので、ある程度自信がある場合のみにしておいたほうがいい。この戦略を企業でうまく使っている事例もある。

弱者の企業の場合、先行企業の弱い部分を分析して勝負できそうな部分を洗い出しそこに自社のリソースを投入するのが定石。だけど真っ向から挑むことで相手の圧倒的なパワーをうまく利用することもできる。

その当時、資生堂の牛耳っている、化粧品業界に参入した時のカネボウの戦略がそうだったらしい。資生堂がたとえば10だとすると、当時のカネボウは1ぐらいの売上しかなかった。

ところが、資生堂が春のキャンペーンで口紅をやると、カネボウも負けじと口紅をやる。秋にアイシャドウをやると、カネボウもアイシャドウをやる。そうすると、一般の人には、10対10の会社に見えてしまう。だれも10対1の売上しかないとは思わない。

そして売上だんだん10対3や4になっていく。相手の大きな舞台を逆利用するズルいけど見事な戦略だ。資生堂にしてみたら、向こうからケンカを仕掛けられているわけで、無視するわけにもいかないので、相手にしちゃうと、もう1対1になっちゃう。腹立たしいだろうな(笑)だから本当にある程度近づいたら差異化する必要があるけれど、そこまでは相手の力を利用する。こういう弱者の戦略、好きだわ。